2019年2月鑑賞したものまとめ
【映画】
怪盗グルーの月泥棒
・物語としてよくある筋だから情が芽生えるパートは省略みたいな強い作りがされてた気がする。
・なんか良さがよく分からなかった。
ブレードランナー
・めちゃくちゃ映像がいい!!
・火を吹くビル!作りもののフクロウ!わざわざ町中に雪ステージが用意されてて雪の中で倒れる人!映像がすごくいい!!
・最終決戦のあたり。雨と蒸気で光を可視化させたり、気球線のライト、雷雨、くるくる回る風車、電飾、飛び立つ鳥、って感じでとにかく光と影がくっきりと動き続けてたのが最高!!
ブレードランナー2049
・ブレードランナーといえば壁を壊して進む人!って認識が作った人の中にもあるのかな。
・前作と違って映像の作り方が感情表現寄りになってる気がする。全体的に受動的な主人公だけどとにかく諦観と苦悩みたいなのが伝わってくる。
・昔のSFの続編ということで「昔のセンスで考えられた未来世界」と「今のセンスで考えられた未来世界」が混ざってる感じが面白かった。この世界にはジョブズはいない。
・前作ではレプリカントは「記憶、共感能力、寿命」の3つでいわざ過去現在未来だったけど、今回は未来要素に子供がでてきたとかそういう感じ。
・記憶と未来への希望があれば共感もできるとかそういう感じなのかな。
パシフィック・リム/アップライジング
・「これ期待していた物じゃなかった」って感想が多いだろうな……って気持だし私もちょっとそう思う。
・でも、過去と違ってちゃんとジャンプできたし、あの時と違ってちゃんとキャッチできた、って場面は感動したよ。よくある系ではあるけどすごくよかったよ。
・怪獣と融合した機体が格好良い。
・これむしろ敵側に感情移入しちゃうよね。ちょっと鬱憤のたまったオタクが頑張っててさ。準備してた物が有効に働くとか応援しちゃうじゃん、もう。憧れじゃん。
【本】
・あ、これだけで終わらないんだ。続編ある。
・明らかにカンタペリー物語なわけだけど、多分これは私の少ない教養でたまたまキャッチできた10球のうちの1球に過ぎぬ……。
・複数の人間の来歴を語り徐々に設定と謎を示して最後に繋がりを示すとか、人によって作風ががらっと変わる多芸なところとか、色々と「この芸ができれば普通に一冊面白く読める」って物語作りしてるけど多分一番面白いところはそこじゃない。
・この作品の一番面白いところは面白いところだと思う。エモい展開で読ませてくるところというか。
- 作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/10/01
- メディア: 文庫
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・いきなり大量の外国人を出してきたから名前を憶えるのが大変。初登場シーンでKindleのマーカー機能を使っておくというテクニックを駆使しなかったら読むのに1.5倍くらいかかったかも。
・ディックなのにこんな王道にワクワクする展開でいいの?って中盤まで思ってたけどやっぱりディックっぽいところに落ち着いてよかった。よかったか?
・最後の生世界と半生世界の上下関係を覆すところ?とかディック~~~~~って感じでそうそうこういうのが読みたかったんだよ!って感じ。
・憶えられないって言った口でどの口で言ってるんだという感じあるけど人物描写がよかった。
・アル・ハモンドは確かに成績が一番優秀ならではの自信が発言の裏にある気がするし、ティトー・アポストスは優雅に歳を取った人間の懐疑と慎重さがあって「いそういそう!」って感じがある。
・飛行機パイロットとかでよくこういう「汚れた俗世と美しい戦い」みたいなのあるよね。実際の飛行機パイロットとかどうだったのかしら。
・青春成長物の醜悪なパロディって感じでよかった。
・これまで独りよがりで自分の中の美しさだけを追い求めてただけの主人公が、色んな人と関わり憧れから社会の中で役割を果たそうとするという流れ事態は正しい青春成長物って感じだけど、そもそも前提となってる社会が間違ってるんだよ!!みたいな。
・読者が誤解しないように登場人物の行動原理がそんな美しい物じゃないって繰り返し描かれてたのがよかった。
・終わる直前まで所有欲を描かれる神条とか、わざわざ最後に研究の目的がエゴと描かれるハヤトとか本当念入りだと思う。
・ちゃんとした青春物だったら大人ポジションとして描かれそうなお婆ちゃんとか水野とかちょい役だしね。
・うおー……。
・ちょっとまだ整理ついてない。
・めちゃくちゃ壮大な物語なんだけど、この巻数の多さは壮大さのためにあるんじゃなくて、むしろ逆にこの壮大さを自分事にするために必要な長さだったと思うのです。
・ちゃんと人を描いて現代と繋がってるところがいいというか。
・確率の奇跡としての進化を宇宙規模で書いてるところとかSFSFしてて面白い。
・人類よりも突入にすごく向いてる種族とかいなかったのかしら。
・逆に宇宙を一つの法則に従って描いているから多用多種でも想像力を超えて来る宇宙生物は出てこなくて、それはこの作品の構造上しかたないんだけど、もっとすごい想像を超えたのが宇宙にいて欲しいみたいな気持ちがある。
・星のみなとのオペレーターがかなり好きで、これ日常描写増やして文庫本一冊にして欲しいくらい。
・なんというか、作者の「こういう知識を知ったのでこういう方向に想像してみた」みたいなのが感じられる感じがある。
・「生まれの違いによって人が分かり合えない」みたいなモチーフがかなり好きで(希望と絶望のどっちを示されても)、ゴールデンブレットもかなり好み。
・エモくて興味深くて面白い!!
・全体的に前提が納得のいくものだったのが面白かった。こういう専門性の高い物ってどうせ正しさを検証する知恵がないので、感情的に納得できる物が書いてあったほうが面白い。
・帯に「誰もが実践できるメンタル・ヘルスヒント!」って書かれてるのも面白い。そんなもの求めてるわけでもないけど。
「表現の自由」の明日へ:一人ひとりのために、共存社会のために
- 作者: 志田陽子
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2018/10/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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・期待してたよりもエモくなかった。
・浅く広く事例と議論の紹介って感じ。そ「ここについは議論されている」で終わりがちで個々の議論には深く踏み入れていない。
・あとがきはエモくてよかった。
エロマンガ先生(11) 妹たちのパジャマパーティ (電撃文庫)
- 作者: 伏見つかさ,かんざきひろ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/01/10
- メディア: 文庫
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・まあまあ作品的に気になる引きで終わってる気がするんだけど何もわくわくしてないの、もしかしたらこの作品の読者として向いてない気がする。
・いうて1巻の時点で決着つけてあとは瞬間風速だけで戦ってるし。
・ラブコメとしては決着が付いている中、夢とか創作者としての議論がそこそこ興味深く進んでる気がするけどイマイチ乗れてない。
・面白く読んでるよ?
・人間的な尊敬とは別に冷静に棋力を測ってコメントする描写が入ると嬉しくなる。
・なんか夜叉神天衣が萌えキャラ萌えキャラしたムーブしてるの微妙に冷めるな……。
・こう、いい感じの感情が描かれた直後だけに商品感を覚えてしまうというか。
・お、末期。いいね!
・ネームドキャラが死ぬと緊張感があっていいね!
・全体的に英国の人が描かれる場面が好き。勘違いで過大評価されるよくなろうでよくあるやつ大好きかも。
・そのわりにあんまりWEB小説読んでないし読もうかしら。
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)
- 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 68人 クリック: 1,802回
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・かなり前に一度読んだけど人にダメだししなきゃいけない立場になったので改めて。
・読み返すとけっこう忘れてるし意識できてないところが多い。
・豚小屋のイラストがどういう意図のイラストなのかよく分からない。
・オブジェクト指向は思想的な部分と技術的な部分があってそこを混ぜて説明しようとするから分かりづらいんだよ、技術的な必然性はこう!思想的な部分はバズっただけ!みたいな感じで分かりやすかった。
・技術的な部分はほとんど知ってることしか書いてなかったんだけど、「ちゃんと人に筋道立てて教えられる」ところまで整理された気がする。
・デザインパターンとUMLについてもちゃんと本を一冊か二冊くらい読んでおきたくなった。
・第二版で新規に書き足されたという関数型言語の章ってただの筆者の趣味じゃないですか???
・時々「これが2019年の漫画のコマか!?」って気持になる。
・水玉トーンにシンプルなキャラクター。
・でもなんか、あだち充がサービスとして描く太ももとかスカートとかっていいよね……。
・ちょっと過去を匂わされるだけで滅茶苦茶に感情が揺さぶられる。これタッチ現役で熱心に読んでた人が読んだらもっとすごいんだろうな……。
小林さんちのメイドラゴン(8) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: クール教信者
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2019/02/12
- メディア: コミック
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・色んな生き方のドラゴンが出てくるのが面白い。
・小林さんが語り部だったときは自称凡人って感じだけど、他の人の視点が入ってくるとなんやこの化け物ってなるのが面白い。
・主観と客観のdiffみたいな
・一番好きなのは二って気がするんだけど、こういう作品で三みたいな一番最初に受け入れてくれた人って当て馬になりがちで勝って欲しいのは三。
・「残念だったわね」は最高。
・矢口さんの周りの人が矢口さんのことが大好きで応援してくれてて本当に良かった。
・ただでさえしんどいのに、親が応援してくれなかったり、友達が「あいつ付き合い悪くなったな」とか言い出さなくて本当に良かった。そんな展開あったら泣いてしまう。
・↑はただしんどいって話じゃなくて、矢口さんの空気を読む生き方がね、間違いじゃないって、そう思えるからいいんだよ……!
・主人公が頭良くて理屈っぽいから、気付きを明確に言語化しても下品じゃないし、モノローグで自然にエモさと接続できてるみたいな効果がある気がする。
・この作者、作品にまだちょっと描けないくっついた後の十倉さんと清瀬さんに対する想像力が止まらなくなっているのでは……?
・万年さんに対して強気に出る一之瀬さん好き。
・なんで新キャラをちょっと三角関係っぽい感じで出して少し不穏な空気にするの……? いや、私が勝手にそういう空気感じてるだけかもだけどさ。